黄金の少女 定価 802円 | |
・狼のレクイエム三部として熱狂的に支持された。画像は徳間ノベルズ版で、初出はハードカバー版となる。 SFアドベンチャー増刊付録のウルフランドは、心が躍った。 |
第3章 ウルフガイ新作「月光魔術團作戦」の始動
晴れて電子書籍作家の大御所となった平井氏は、ライフワークである『ウルフガイ』シリーズの少年編を完結するべく新作の『犬神明』の執筆に向かった。 天上界至高神「鮎川まどか様」と電子書籍作家としての"文章を編集されない日々"に、これまでの停滞が何だったのかと思えるくらいの月産1巻という驚異のスピードで、全10巻刊行を終えた。 中古ライトノベル(新書)ウルフガイシリーズ 犬神明 (トクマノベルズ版)(7) / 平井和正 悪徳芸能記者の狼男が霊界に行って、大天使ミカエルの天上界だの魔界の波動に投げまくって放置した『アダルトウルフガイ』の続編を早く書いてくれよという読者の叫びも置き去りにし、ヤングの方も、アラスカ氷の女王の超兵器の閃光の新たなる人格が犬神明とかどこに消えた何となく青鹿晶子という、風呂敷の畳み方がもう手遅れになっていたが、作者が「完結編だYO!」と言ってしまえば完結編である。 中古ライトノベル(新書)アダルト・ウルフガイシリーズ (ノン・ノベル版) 人狼天使 第3部(9) / 平井和正 往年のファンからして、これは番外編ではないだろうかと言う突っ込みは炸裂したが、1995年の時点で20年近く新作を待ち続けている「アダルトウルフガイ民」を見つめれば完結と名前が付いただけマシである。 背徳の暗黒魔の波動の天上界降臨とか出る事もなく、そこそこ目を瞑れば納得できた形で少年ウルフガイは"一応終焉"となり、版元の徳間書店もまずは絶版の「地球樹の女神シリーズ」等を新書版にしての平井作品の再販売を企画した。 が、 再編の販売ともなれば、過去には許容されていた差別的表現も現在では伏字などの編集を入れなくてはならない。 元々、平井氏の作品は、差別的な表現や暴力表現が多大に使用されており、それが持ち味でもあったのだが、最初に発売された「狼男だよ」が大幅な編集や不必要な改変をされ、学研から仕事を干された平井氏にとって、編集や伏字は何よりも嫌う事だった。 中古ライトノベル(新書)地球樹の女神 真昼の魔女(1) / 平井和正 また、前作の「地球樹の女神シリーズ」で不必要な編集や改変が行われた事で角川書店と決別し、更なる編集に対する嫌悪に陥っていた平井氏にとって再び「地球樹の女神」を改変されることは最も恐れていた事態であった。 そして、角川書店に続き徳間書店とも決別する事になり、平井氏は再び作家生命の危機に陥る。 頼みの綱は電子書籍。遠ざかるのは紙媒体の出版社。 一端は完結した「ヤングウルフガイ」に泉谷氏のイラストを加え、未知なるPDF電子書籍という形で描いた「全く新しいウルフガイの物語」 そして生まれたのが、黄金の少女のエッセンスを加えた「女性版犬神明、犬神メイ」を主軸に、一人生徒会と呼ばれる鷹垣人美を主人公に置いた「ニューウルフガイ月光魔術團」が始動した。 中古ライトノベル(新書)月光魔術團 春の魔法使い(1) / 平井和正 舞台は、暴力と退廃が支配する学園・博徳高校。そこに転校してきた美少女、犬神メイに不良のボス真黒獰との対立とスケバン少女に暴力教師。 ヤングウルフガイを思い出させ、かつ新しい物語となった本作は、当初は紙媒体の書籍版として刊行された。 電子書籍として始動するには、まだ時期尚早。 出版社を飛び越えて、PDFの世界へと飛び込んでいった平井和正の闘いが始まった。 |
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