モーニング娘。6期最強伝説の歴史

   
  定価 ¥1050

 女に 幸あれ
 通常版 2007/07/25
最強の9人、最低と呼ばれた9人時代が始まる。

第7章 秋元康の逆襲とニコニコ動画の登場

  モーニング娘。が絶望の深い果てに取り残された2007年。
 前年に放映されたTVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」によりかねてから進行していた秋葉系ブームに火が付き、同時に秋葉系ブームと共に育ったAKB48の露出が増えていく。

    中古CD AKB48 / 制服が邪魔をする

 Youtubeに押されていた音楽業界は、2ちゃんねる発の動画共有サイト「ニコニコ動画」の登場によって音楽のみならずDVDや映画の売り上げまで地の底へと落ちていった。
 投稿時間制限の追加されたYoutubeとは違い、ユーザーが好きな時間の動画を投稿してコメント付きで共有できる夢のような空間。

  業界は恐怖に怯えた。

 削除依頼をいくつ出そうとも次々と投稿されていく動画を押さえつける事は出来ない。
 著作権が法律がと言いたい所だが、まだ新しい動画共有という文化に企業も対応がさっぱり分からないで困り果てていた。
 若者はそれまで制限され続けていた著作権という制約に大きく踏み込んでいき、新しい文化を楽しんだ。

    中古CD ハレ晴レユカイ 涼宮ハルヒの憂鬱ED

 始まりは大ヒット中だった涼宮ハルヒの憂鬱の「ハレ晴レユカイ」を踊ってみた。
 オタ曲に合わせてレイヤー達が踊りまくる動画は注目を浴び、海外でのみ広がっていた
「踊ってみた」という文化は逆輸入される形で日本に広まっていく。

  

 簡単で軽快な踊りは連鎖のように広まって行き、ある程度慣れてくると高難度のダンスに挑戦したいと人々は思うようになってくる。
 著作権的にはグレーだが、メインはあくまでも踊り手にあり権利者も削除して良いのか戸惑った。

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 次に話題になったのが、楽曲は権利者だが歌唱は投稿者という再びグレーな新たな文化
「歌ってみた」
  
 2ちゃんねるのカラオケ版で大人気だったいい男「いさじ」
 彼のノンケには思えない低音ボイスはニコニコユーザー達に愛され、本人も知らないままに大ヒット!
 久住小春がニコニコ動画で(別の意味で)もっとも注目を集めた瞬間でもあった。
 と、ここまではグレーゾーンだが、問題なのは完全に著作権的に問題のある動画たち。
  黎明期は容量の関係もあり、クイックタイム等の動画や簡単なショートムービー程度だったが99年に登場したFlash4のおかげでMIDIで作られていた音楽をMP3で利用可能となり、動画の幅が一気に広がる。
  当時流行っていた月姫のMADムービーは、著作問題が議論されるほど話題になり、
  
  02年に2ちゃんねるの動画版が開始されると、マイケルクエストやセガファンタジーなどが注目を集めた。
  そしてニコニコ動画が公開されると、著作権的に完全に問題のあるMAD動画は大流行し往年の動画はもちろんの事、音を入れ替えたものや音声を変えたもの果てに動画の丸投げ。
  消しても増え続けていく負の連鎖に、業界はニコニコ動画そのものを「悪」と捉え訴え始めていく。
   
  それを一気に打ち消したのは、一本のアイドルマスターのMAD動画だった。
  技術としては拙く、これまでのMAD動画と比べても格段にレベルは劣るものの高価な編集ソフトを使用されて作られたアイマス動画は注目を浴び、使用されているPerfumeの楽曲は売れ続けていく。
  一本の動画の宣伝効果は
CDが売れない時代に1700枚以上も売上げる。
  単なるアルバムの1楽曲がヤフーや書籍でも注目を浴び、公式でも言及される事に続くアルバムや楽曲など、Perfumeの人気はアイマスのおかげで飛びぬけていった。

   新品CD Perfume / Perfume ~Complete Best~

  著作権としては完全に真っ黒だが、トータルセールスとしては抜群の宣伝効果。認めたくはないがこれを利用しなければ新しい若者文化に乗り遅れてしまう。
  イタチごっこの連続だった著作権の問題は、ゆっくりと静まって行きニコニコ動画もJASRACと契約し、歌ってみたや踊ってみたも問題なく投稿できるようになってきた。
  角川公認MAD等も登場し、著作権という
規制は距離を保ちつつも緩やかになっていく。

   

  モーニング娘は当初からネットとは深い関係を築いていたものの、一つ踏み込めないまま2007年が過ぎていき青空期の象徴吉澤ひとみの卒業、藤本の脱退と共に高橋愛と田中れいなのダブルセンター時代がやって来る。


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第8章 プラチナ期始動、高橋愛の本領発揮