山田ミネコの最終戦争伝説な歴史


  
 定価 490円

 
 発行 1990/08/14
実際にはこちらが小説デビュー作。初の姉妹弟子による合作作品も入っている。

第12章「大陸書房倒産被害者の会結成」

 漫画を描こうにも自由に動けない。
 ならば、小説書こうと思っていても体力がなかなか戻らない。
 パトロールシリーズで無理をした疲れが残っていたのか、入院先でペンを握る事も出来ないまま、退院後も 腹部の痛みと戦う日々が続き、ミネコ氏は半年ほど完全に仕事をする事が出来なくなった。

  中古少女コミック異形列伝 / 山田ミネコ氏

 不幸の連鎖は翌年になっても続き、ミネコ氏を小説家として育ててくれた「大陸書房」は前触れもなく97億円の負債を残し、100人以上の作家は原稿料未払&連載休止&単行本の続きが出ない&そもそも原稿が帰ってこない。
 という、地殻変動装置メビウスが起動したかのような、大事件が起こる。
 連絡を取ろうにも手術後で、しかもお腹の傷は完治しておらず、それはもうどうにも出来なかった。立ち上がろうにも棒を片手に起き上がるような状態で、何をどうすればいいのか生神にサイコフライトを依頼したくなるくらいに打ちひしがれ、絶望し、ミネコ氏は己の苦境を嘆いた。

   

 そして、影のない狩人を連載していたネオファンタジーは、わずか7号で休刊。
 ついでにホラーハウスも無くなり、掲載されていた異形列伝も無くなり、ヒシカカの続編の製作予定は水の泡となり、ミネコ氏の目の前には「未払い原稿料17万5千円」という文字だけが残された。
 お金を取り戻そうにも、漫画の続きと小説の続きという大いなる課題が取り立てを邪魔し、漫画を描きたくても体力はなく、仕方なく小説を書いていると仕事の数はさらに減っていく。

  中古同人誌 西の精霊 / あとりえだば

 気力で出した同人誌にまで、「小説家としてやるしかない」という薄らとした決意だけが残され、漫画家山田ミネコ氏は92年に一度は幕を閉じかけた。
 が、作家の麻城ゆうに助けられ小説ウィングスを紹介してもらい、何と作者本人すら忘れかけていた「最終戦争伝説シリーズ」を書く機会に恵まれる。

  中古ライトノベル パトロール森夜 メビウスの時間の輪(1) / 山田ミネコ氏

 後年に描いた小説版パトロールシリーズの中では比較的読める内容であり、しかも挿絵が押上美猫氏というネコネココンビ。
 大都社でパトロールシリーズの復刊も決まり、気がかりだった「異形列伝」も秋田書店様が本にしてくれる事が決まり、東京三世社での連載と、ページ数は少ないとはいえ再び秋田書店での連載も勝ち取り、少しずつだが漫画家としての自分も取り戻せるようになってきた。

     

 目指すは最終戦争シリーズの復活と、それから月読の剣の連載再開。
 新たなる決意を胸にしたミネコ氏の前に待つのが、国内最大級の恐怖の事件だった事をまだ彼女は知らない。


連載休止のその後の話

 異形列伝に関してはコミックになったが、その他の作品がどうなったかを少しだけご紹介。

   

 ネオファンタジーで連載をしていた「影のない狩人」はネコさんverの描き下ろしイラストとゲスト原稿とで同人誌版として発行されている。
 なんと、「裏側の世界」や「異教から来た魔術」のキャラクターも登場。

  中古同人誌 影のない狩人 / あとりえだば



 7話で未完打ち切りになった「月読の剣」は、同人誌版として5話以降を刊行している。

  中古少女コミック 月読の剣(1) / 山田ミネコ氏

 月読の剣はKindle版も出ているが、残念ながら4話までしか収録されていない。
 欲しい方は復刊ドットコムでの投票も受け付けているので、是非清き一票をお願いしたい。

  月読の剣 (2)(山田ミネコ氏)』 投票ページ
   http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=11984



 裏側の世界シリーズの続編は、同人誌で手に入る。
 こちらは在庫があれば通販で入手可能なので是非とも手に入れて頂ければ幸いだ。

  あとりえだば通販
    http://daba.cart.fc2.com/  
 
 そして、裏側の世界シリーズも復刊投票中なので、こちらも清き一票を。
  『ヒシカカの竜姫士(山田ミネコ氏)』 投票ページ
   http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=2386
 

  第13章「オウム真理教とハルマゲドン思想」