山田ミネコの最終戦争伝説な歴史


  
 定価 750円

 
 発行 1990/08/14
ネコさんの小説にしては中々に読みごたえがあるシリーズ。画像のような山田ミネコ氏挿絵による追加エピソードを納めた同人版も存在する。

第11章「連載打ち切り、そして入院と手術へ」

 最終戦争伝説第2期で迎えた90年。
 昨年より、リュウで書けなかった パトロールシリーズの続編 をねじ込めたのはいいが、肝心のパトロールシリーズが秋田書店で発売に至ってないため読者を迷子にさせ、小角はテコ入れのように最終戦争伝説との合流を果たした。

   中古コミック 地平線の銀の星(13) / 山田ミネコ氏

 が、人気のあったパトロール星野に同じパトロールの小角を加えたことで、 星野の人気を落とし、読者もさらに混乱させシリーズ全体の人気が低迷。

   泣くしかないネコさん必死のペーパー。

 ついに読みきりの「ジャッカル」をもって最終戦争伝説の隔月読み切り連載は終わりを遂げ、パトロールシリーズを秋田書店版として発売する野望は夢と消えた。
 不和の連鎖により、ふふふの闇まで人気を落とし、ビバプリンセス休刊、別冊プリンセスへの変更騒動に巻き込まれ、ついに打ち切りとなった。

  

 追い詰められたミネコ氏に、秋田書店は「女の子を主人公にした妖怪物」という書きなれないテーマを与え、古事記のスサノオノミコトをモチーフにした「月読の剣」 の連載を翌年より開始。
 可愛いファンシーな絵柄と愛嬌のある鳩子は思っていた以上に女性ファンを掴み、描きたいSFよりホラー漫画の方が読者に求められ、またしても最終戦争伝説は戸棚の中 にしまわれた。

  中古ライトノベル(文庫)天動説騎士団(1) / 山田ミネコ氏

 ふふふの闇は大陸書房へと受け継ぎ、最終戦争伝説は大陸書房で知り合った作家「麻城ゆう」に誘われ、本格的に同人誌という媒体で書かせて貰えないエピソードを補完していく。

  中古同人誌 雨月の妖魔

 スレイヤーズなどが話題になり、ライトノベル全盛期だった事も幸いして集英社の切符も掴み、小説版とはいえ最終戦争を書く機会にミネコ氏は恵まれた。
 だがしかし、ミネコ氏に襲い掛かったのはまたしても不幸の連続。

  中古ライトノベル 2前)花咲く帝王の樹々 / 山田ミネコ氏

 身体の不調を訴え、病院に向かうと告げられた検査結果は胆炎。
 さらに盲腸炎にまでかかり、ペンを握ろうにも手術後の経過は良好とは言えず、秋田書店で書いていた「月読の剣」は7話をもって連載休止。 更に大陸書房の「影のない狩人」も連載休止。
 月読の剣は、今に至っても続きが作られない、作者痛恨の完全未完作品となった。


  第12章「大陸書房倒産被害者の会結成」