▶ 「性分化疾患って何だろう?」


 オリンピックや国際試合を見ていると「男性だったので出場取消しされた」「染色体はXYだった、精巣を持っていた」等のニュースが飛び込む事があります。

 それを見て「何故気が付かなかった?」「わざと黙っていたのでは?」といった疑問を感じた方もいるかもしれません。

みんなで考える性分化疾患

 実は、性分化疾患(IS)は一般の人はもちろん、専門外の医師にとっても馴染みの薄い分野です。

 研究されているのは小児内科や泌尿器などの一部の分野くらいで、見た目だけでは判断が難しく、正確に確認するには染色体検査などを必要とするケースも少なくありません。
 少し前までは、医師の判断で「本人に伝えない」という方針が取られることもあり、親の判断で教えないケースも含め、当事者が自分の身体の特性を一生知らないまま過ごすこともありました。

 心と体の違和感を感じる方が多いLGBTの中でも、生まれつき身体の性の発達が一般的なパターンと異なる稀なケースへの理解を込めて、当事者である私が、拙い知識ではありますが、少しでも伝えられればと思い、この連載を始めることにしました。

 ISについて、少しでも知っていただければ幸いです。

▶「性のハンディキャップとは?」


 IS(性分化疾患)がどのような状態かを、簡単に解説します。

 心と体の違和感を覚える方が多いLGBTの中でも、生まれつき染色体や性腺、外性器などの発達が一般的な男性・女性のパターンと異なる、比較的まれなケースがIS(性分化疾患)です。

小児泌尿器疾患マニュアル

 単語だけは耳にしたことがあっても、具体的にどんな状態なのか見当がつかない方がほとんどかもしれません。

 人が生まれるとき、五体満足に生まれてくる方もいれば、手や足に何らかのハンディキャップを持って生まれてくる方もいます。こうした身体の障がいは、見た目でわかったり、話を聞くうちに理解しやすい面があります。
 一方で、生まれつきのISは、見た目では判断しにくいことが多く、二次性徴を迎える頃になって違和感を覚えるケースも少なくありません。

いま知りたい「性」のはなし

 また、身体にハンディキャップを抱える方が手帳や支援を受けられるのに対し、ISのように目に見えにくい身体の特性は、十分に理解されにくく、医療現場でも戸惑われることがあり、保険が適用されず、自費診療になる場合もあるのが現実です。

 世の中にもこうした当事者も居る事を、少しでも知識として知っていただければと嬉しいです。


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