漫画版ウルフガイ 定価 555円 |
・二度目の少年ウルフの漫画版。現代風にアレンジされたシナリオと青鹿の姿に心を奪われた。後にコンビニコミックスも発売される。 |
最終章 残された幻魔大戦の世界へ
放映されたアニメに大きな反響はなかったものの、これまで止まっていた「幻魔大戦」の言霊に、平井氏は心を動かされる。 中古アニメDVD幻魔大戦 神話前夜の章 2 [通常版] そうして仕上がったのが、2005年に電子書籍限定で発売された「幻魔大戦DEEP」だった。 ストーリーこそ、並行世界と付けられてはいるものの、待ち焦がれた「東丈」の登場にファンは驚き、歓喜の声を上げていく。 これは「幻魔大戦とは別物」と言う批判もあった、完結編と呼ぶには違うと呼ばれる事も多かったが、次から次へと刊行されていく波に乗り、全8巻で一度区切りを迎える。 更に、21世紀8マンと題されたBLUEシリーズも話題を呼び、ルーツとして参加した続編の「8マン インフィニティ」も好評を博した。 自費出版ではあるものの、BLUE HIGHWAYSを書籍版として発売し、 中古B6コミック8マン インフィニティ(3) / 鷹氏隆之 少年ウルフガイの二度目のコミック版は、ヤングチャンピオンで長期連載され、新たなるファンも獲得していく。 そして、平井氏は最後のペンを取った。 長かったライフワーク、幻魔大戦の完結編として、三巻セットのハードカバー書籍「幻魔大戦DEEPトルテック」を書き上げていく。 自費出版という形、セットで二万円という巨額の金額。 これまでとは視点を変えた、新たなる幻魔の舞台で、時を経た物語は完結する。 ウルフガイの要素も加え、意外にも明るい未来を思い描いた形で本書は結びを閉じる。 そして、二大作品を完結させた言霊使いは、惜しまれつつ鬼籍に入った。 ・ ・ 2018年、主の居ない電子の世界に作品は舞い戻り、ついに17年ぶりのウルフガイ書籍版が早川書房から刊行された。 中古ライトノベル(文庫)狼の紋章 (新版) / 平井和正 出版不況が続く中で、全作品発売されるとは限らない、もしかしたらこの波は止まってしまうのかもしれない。 でも、作家平井和正は、電子書籍という言霊使いを始めて操った男だ。 誰もが楽しむkindleやPDFの原点に降り立ったのは、企業でもなければ発明家でもない。 ただ、紙の上で文章を綴った作家「平井和正」によって、今日も電子書籍の波は続いていく。 2018年12月5日 |