山田ミネコの最終戦争伝説な歴史


  
 定価 710円

 
 発行 2001/01/23
貴重な描き下ろしカラー扉付き、久しぶりの商業誌。

第15章「伝説の復刊、商業誌への返り咲き」

 同人ではあるものの、久しぶりの最終戦争シリーズの続編にファンもミネコ氏本人も湧き上がって迎えた2000年。
 インターネットでのメーリングリストやファン活動等も進み、また国内全体でネット加入者が増えた事も有り、少しずつだが漫画家山田ミネコ氏の名前も話題に上がり始めた。そうして動き出したのは、今まで思いもしなかった過去作品の文庫化だった。

    「スプーン一杯の愛で」も入れて欲しかった…

 復刊ドットコム等で多数の作者の過去の名作が取り上げられ、不朽の名作を復刊していく流れに乗ったメディアファクトリーがミネコ氏に手を差し伸べて、まずは「アリスシリーズ」から文庫版にし、状況を見てから「最終戦争シリーズ」を文庫化にする方向で企画は動いた。
 何故アリスシリーズ何だろうか? とミネコ氏も疑問には思ったが、それはまあ又とないチャンスである。
 久しぶり過ぎる商業誌の原稿を描きつつ同人誌の宣伝もさりげなく入れ、約5年ぶりに山田ミネコ氏の名前は出版業界に載った。
 
   中古コミック 最終戦争シリーズ 冬の円盤(文庫版)(1) / 山田ミネコ氏

 今まで詳細すら不明だったミネコ氏の商業誌の返り咲きに、かつてのファンも新規のファンも大歓迎で彼女を出迎えた。
 同時に同人誌の売り上げも認知度が上がったために増えていき、カスタムドールやビーズにも手を出し「山田青」名義でドール製作も手掛けた。

   

 最終戦争シリーズも無事に文庫化になり、その記念に初の原画展がそうさく畑にて開催された。サイン入りの原画や同人誌の販売も行われ、同じ24年組の仲間たちよりも質素な原画展ではあったが、とても満足な一日をミネコ氏は過ごした。

   中古同人誌 疑惑の空 パトロール伝説 2 / あとりえだば

 が、同人版最終戦争シリーズで、「真砂流」をディーヴァダッタの手先として復活させ、さらに生まれた赤ん坊を拉致したため読者の大批判が巻き起こる。

   

 手紙での抗議だけに留まらず、即売会での殴り込み抗議まで巻き起こり、疲れ果てたミネコ氏は、ついでにパソコンの見過ぎからか目を悪くする。
 何とか光の感度の低いワープロを購入し、イベントではサングラス着用で続きを書くものの批判の波はまだ続き、真砂流お兄さんの結末ペーパーなる物品を用意してやっと事態は収束を迎えた。

     現在は配布してません。

 騒動もすっかり落ち着いた2003年。眼の不自由を抑えつつ、二度目の正直である公式サイトがついに立ち上がった。

 □山田ミネコ氏のHP
  http://homepage3.nifty.com/br_sei/

 当初は趣味のビーズを中心としたサイトだったが、徐々にイラストやブログなども増えていき、現在でもイベント告知などの活動を続けている。

  中古ロマンスコミック 愛のうずしお / 山田ミネコ氏

 そして、ハーレクイーンではあるが久しぶりの描き下ろし単行本も出て、携帯コミックスではあるが、最終戦争の続きも出せた。あるが有るがとは言うものの、仕事を貰えるだけでも有りがたい。

     どちらも販売終了。

 体調への不安はまだあったが、携帯コミックランキングも10位に入るなど好評だったため、アーマゲドンと名を変えた最終戦争シリーズはコミック、同人誌、モバイルブックと媒体を変えて続いて行った。


  第16章「それからの漫画家、山田ミネコ氏」